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契約的束縛・誘惑なる秘密
第30章 香港―明かされる秘密と選択

◇◇◇
話は少し戻り、深夜のCross sels本部香港支部。
ヂャン・ミングイを連れ、私は一度支部まで戻っては来ました。流石に彼を連れてなので、支部の中に緊張は走りましたが……。
イェンフゥイと直接話を付け、ミングイを調理師として支部に置くことで合意。……勿論ヂャン・ミングイが持つ情報網の提供、これが匿う交換条件にはなりましたがね。

それが終わり、美波を追うか迷っていた私。予想としてイン・ウードゥが関わっていると考え、私が出ていいものかと躊躇ったとも言います。
フリースペースで考えながらコーヒーを飲んでいた私の元に、ルークが現れたのはその時。ですがルークは私に向かって複雑そうな顔をしているんです。

「……何か不都合がありましたかルーク?」
「いえ……。サザンクロス様と合流は出来ました。ただ捕まっていたようで、建物は全焼を免れないと思います」
「あの波動ですから力を使った、それは容易に予想出来ます。そしてツインドラゴンの拠点の1つ、捨て置いても問題はないでしょう」
「自分も同じ事を考え、建物内には入っていません。
サザンクロス様、イン・ウードゥ、ワン・レン、この3名を確保し安全な場所に保護しています」

やはりとは思う、イン・ウードゥが関わっていたと。そしてワン・レン……正式名称はワン・レイでしたか、これもあのティェチンの言葉で一緒に行動していたのは把握済み。

「全員一緒に……ですか?」
「はい。ワン・レンは縄で縛り、別部屋に置いて来ましたが……」
「??
イン・ウードゥには何も無しとは、ルークらしくないですね」

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