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サイレントエモーショナルサマー
第31章 istinto
シャツを脱がせて、ベルトに手をかける。藤くんの顔を見上げれば、そっとキス。甘い毒を貪って手がお留守になると藤くんは私の舌を甘く噛んで、ベッドへと押し倒す。
彼が自らボトムスを脱ぎベッドの外へ放ると、がん、と鈍い音がする。ああ、そうだ、あのポケットには私のスマホが入っている。チカに連絡しなきゃ。そう思って起き上がろうとすると肩を押され、ベッドへ沈まされる。
「今は、俺のことだけ考えて」
「でも、」
「他のこと考えさせたくない」
私の身体をベッドに押し付けて、理性などかなぐり捨てた熱いキスをくれる。好きだ。このキスも、私に触れる手も、私を見つめる瞳の美しさも。
欲張りだ。浩志のことを好きだと思うのに、藤くんのことも好きだと思う。どうしたら答えを出せるのだろう。どうしたら彼らのことを傷つけずに済むのだろう。
キスをしながら愛おしい手のひらの熱が身体中を這う。ブラジャーのカップを強引に引き下げ、むき出しになった乳房を掴まれる。
掴んで、やわく揉んで。長い指はいやらしく乳輪を撫でる。ぞくぞくして藤くんの二の腕を掴んだ。はぁ、と熱い息を吐いてアンバーを見つめる。ぎゅっと乳首を抓りながら、また熱いキス。私のことを食べようとしているみたいだ。
「…んっ…藤くん…」
乳房に噛みついてから舌は乳首を狙う。痛いくらいに張りつめたそこをちゅうっと吸われ、ショーツが湿り出すのが分かった。
「もう、ぐちゃぐちゃじゃないですか」
ふ、と乳首に息を吹きかけながら藤くんの指はショーツの上から膣口を撫でる。2本の指にゆったりと撫でられ、快感で彼の腕を掴む手に力が入った。
「見て。下着の上からなのに、俺の指こんなになりましたよ」
私の顔の前まで指を持ってきて開く。2本の指の間で糸を引いた透明な体液がぷつんと途切れた。口を開いて舌先を出すと藤くんはにっこり笑ってその指を私の口の中に押し込む。