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サイレントエモーショナルサマー
第31章 istinto
指先が歯を撫でるのを感じながら必死に舌を絡ませた。溢れ出す唾液が逆流して息が苦しい。涙で視界が滲む。うえ、とえずいても夢中で指を舐めれば、微笑んだ藤くんが、いいこ、と頬にキスをくれる。
「ふっ…んんっ…う、」
藤くんの手が私のショーツにかかる。腰を浮かせると、するりと尻を滑って抜けていく。はぎ取られたショーツのクロッチ部分がぬらりと光っているのが見えた。目を逸らそうとすると口の中の指がそれを許さないとばかりに舌を押さえつける。
「下、ぴくぴくしてますね。欲しいの?」
「んっ…んんっ」
訊かれたって、上手く声が出せずに答えられない。必死にこくこくと頷くと彼は指を引き抜いて、私の唾液塗れの指をいやらしく自分で舐めていく。その恍惚とした表情はエロティックで堪らない。
「志保さん、つけて。もう分かってるでしょ」
言いながら藤くんがボクサーを脱ぐと硬くなったモノがぶるんと震えた。欲しい。奥を抉って、泣かせて欲しい。小さく頷いてから起き上がり、藤くんに背を向けながらいつもの引き出しを開く。コンドームの包みの奥に開けたまま1本も吸っていない煙草の箱が見えた。
浩志の顔が脳裏を過ぎる。呆れ顔で、結局流されるのかよと言っている。ストップをかけられたような気になって包みに伸ばした手を止める。
躊躇っていると私の動きが止まったことに気付いた藤くんがさっと手を伸ばしてコンドームをひとつ取り出した。素早く装着すると後ろからずぶりと突き刺される。
「うあ…っ…あっ、」
ぎゅっと膣に力が入って反対にベッドに突いていた手からは力が抜けた。がくがくと震える下肢。ぼやけた目の前の光景は中々色を取り戻さない。
「入れただけでイっちゃったの?」
「あっ、あっ…まって、いま…」
「凄いです。まじで、痛いくらい締め付けてくる」
「だめ…っ…藤くん…うごかないで…っ…イク…、」
「もうイってるじゃないですか。足もプルプルしてる」
「きもち…あっあっ、だめ…くるし…っ」
ずるずると焦らすように抜いていったかと思うと、ばちんと音を立てて奥まで押し込まれる。頭がぼんやりする。もう、なにも考えられない。がむしゃらに腰を打ち付けられ、はしたない声が絶えず口から漏れる。