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サイレントエモーショナルサマー
第31章 istinto
一際強く腰を叩きつけられ、首が仰け反った。私が達したことに気付くと口の中から指を引き抜いて、ちゅ、ちゅ、とうなじや背中に口付けていく。
肩甲骨の下あたりを丹念に舐めたかと思うと、唇はうなじに戻った。ちり、と熱い痛み。だめだよ、そこは、なんていう間もなく肌に鬱血を刻まれる。
「……明日、見えちゃいますね」
「ばか…うあっ…あんっ、あっあっ…」
重さがすっと引いていく。今度は藤くんの手が尻を押さえつけ、速いピストン。がくがくと揺さぶられる身体は腹の底から熱くなり、もっと、もっとと彼からの刺激を求めた。
「ふじく…あっ…んんっ…まえ…まえがいい…」
なんとかシーツを掴みながら言うと律動が止んだ。呼吸を整えようと深く息を吸い込んで、瞬き。ぽたりと落ちた涙の粒がシーツに染みる。
「あっ…」
硬い熱が抜かれ、優しい手に促され仰向けに戻る。キスをして、彼の頬や髪に触れて。あなたに抱き着きたいのと言う代わりに緩慢に腕を広げた。その腕を引かれ、身体が起こされる。ぎゅっと抱き着きながら藤くんの足を跨ぐ。
「入れますよ」
「んっ…ちょうだい」
ぬぷり、と広げられた膣口から音が鳴る。先端が入ってきたのを感じて浮かせていた腰をゆっくりと下ろしていく。お腹の裏側を押されるような感覚できゅっと目を瞑ると藤くんの舌が耳の付け根を舐めて、耳の中へ入ってくる。
「あっ…あっあっ…きもち…っ…」
「志保さん、こっち見て。中に入ってるのは誰の?」
「ふじく…藤くんの…んあっ…ああっ」
至近距離で交わる視線。声なくわなないた唇が、いいこ、と言っている。震えたそれに口付けて、舌を挿し込む。逃げずに待ち受ける彼の舌に夢中で舌を絡めて乳房を彼の身体に押し付けた。
「好き…藤くん…好きなの、」
「…!」
「でも…、ひろ、」
その続きは聞きたくないとばかりに唇を塞がれる。ごめんね、そうだよね。聞きたくなんかないよね。目を伏せて言葉を奪った唇に全てを委ねる。