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サイレントエモーショナルサマー
第34章 psicologia
◇◆
やっぱり、セックスはストレスが吹き飛ぶ。素肌に触れて、触れられて。何度も何度もキスをして。獣のようにお互いを求めあって、がつんと奥を穿たれると暗い感情は弾け飛んでいく。
「も、くるし…っ…」
汗でべたりと顔に張り付く髪をのけて、ちゅ、と頬へのキス。荒い呼吸の狭間に必死に藤くんを呼べば、その声を食べるようにキスをくれる。鼻先同士を触れ合わせて藤くんはゆっくりと身体を起こした。
ぐちゃぐちゃに濡れた膣が藤くんのモノを咥えこんでからかなりの時間が経過していた。いつもは簡単に私をイかせてくれるのに今夜の彼は中々そうしてくれない。
「…藤くん…イきたい…」
「ダメ。もっとかわいい顔、俺に見せて」
ゆるやかにグラインド。じれったい刺激に眉を顰めて顔を逸らそうとすると顎を掴まれる。ぼやける視界の中、怪しくぎらつくアンバーを必死に見つめた。いいこ、と微笑んで顎を掴んでいた指で私の唇を撫でる。
指先をぺろりと舐めればその指は慣れた様子で口内へ入ってくる。支配されているような感覚に胸が高鳴った。ぞくぞくしながら長い指に舌を絡ませる。
空いた手は素肌を滑り、乳房に触れた。やわく揉みしだいて指の腹が乳首を転がす。きゅんと煩くなる下腹部の疼きを満たそうと腰を揺らすとそれを咎めるように口内の指がぎゅっと舌を押さえつけた。
「はっ…う、あっ、」
口内から出て行った指がクリトリスをそっと撫でた。キスを求めて震える腕を彼の顔に伸ばすが、彼は手のひらをぺろりと舐めるだけで身体を倒してきてはくれなかった。
「藤くん…んあっ…ちゅーしたい、」
「届かないですし」
「…いじわる…んんっ…」
「中々選んでくれない志保さんの方がずっと意地悪でしょ」
「ごめ…ん…あっ、あっ…まって、」
ぬちゃぬちゃと音を立て僅かな律動。待って、と言えばぴたりと動きを止める。恨み目をくれてやっても藤くんは企み顔で微笑むだけだ。