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サイレントエモーショナルサマー
第37章 Passione

「俺、こういうのもう最後にします」
「……はい?」
「キスも、抱き締めるのもセックスも、もうしません」
「は?えっと、え?ちょっと待って。なにがあったの?」

思いもよらない発言にパニックになる。頭の中が真っ白になって二の句が継げない私になどお構いなしで、強く私を抱き締めて離すと給湯室から出ていこうとする。ちょっと待て。逃がしてたまるか。慌てて腕を引いて彼の背中を壁に押し付ける。

「急にどうしたの?」
「俺ね、思ったんですよ。今のままじゃ志保さんがどんな選択しても素直に受け止められないなって。だから、これは俺なりの勝負と気持ちの整理の意味があるんです」

勝負だと?なんだそれ。そう言えば、決戦がどうとか言っていたような気がしなくもない。くそう、これか。あの時点で彼はあれを最後のセックスにするつもりだったのか。

「気持ちの整理が済むまで私の話は聞かないってこと?」
「そういうことになりますね」
「どんな話でも?」
「………はい」
「もう、キスしないの?抱き締めてもくれないの?」
「……ここを、出たら」

そう言って、ぎゅっと抱き締めてきた腕が震えていた。これは、困ったことになった。藤くんは元々はかなり素直な子である。そんな彼が今のままではどんな選択であっても素直に受け入れられないと言い出した中で、私がなにを言っても無駄になるだろう。私に出来ることはなんだ。彼がしてくれたように待つことか。

「俺のことも待ってください。ちゃんと聞きます。だから、少しだけ、待ってください」

私の思考を読んだかのように藤くんが静かに言う。分かったよ、と答える代わりに彼のシャツを弱く、掴んだ。
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