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地下室の被験者
第1章 夏の始まり
梅雨もあがり期末テストが終わった7月中旬、美緒は学校から戻るといつものように妹の入院している病院へと向かった。美緒は容姿端麗、成績優秀とどこをとっても非のうちどころがない女の子である。そんな彼女には病弱な妹がいる。美緒は部活の無い日はいつも妹のところへ向かっていた。
病院は自宅からバス停まで徒歩5分、そこからバスで約30分と決して近くは無いがそんな道のりも妹を溺愛している美緒にとっては全く苦にはならなかった。
バスが30分ほど走ると「みなと女子大学付属病院」というバス停についた。そこがこのバスの終点でもあり、美緒の妹が入院している病院でもある。
病院に着くと受付を済ませ、妹のいる病室まで向かう。この病院は名前の通り女子大医学部の付属病院であり、職員は女性のみでさらには患者も女性のみと徹底して女性に特化している。診察の科の中心もやはり産科、婦人科が主である。
美緒も初めはこの女性だけの空間に戸惑ったこともあったが、今では何一つ気にもしていない。女性だけの空間というのも、妹を預けているという点では安心である。またこの病院でもう一つ特化したことは最先端医療技術が発達していることである。海外の技術を積極的に入れ高度な医療技術を有している。
美緒はいつものように妹の病室がある7階へと向かった。
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