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第3章 さざ波




某吉日。


地元ではそこそこに知られているホテルのロビーに叶和はいた。

今日行われる催し物の案内を示すロビーの掲示板らしき壁にかかった版を確認する。

吉日の今日、友人の披露宴が行われた。

披露宴には、出席しなかったが二次会もそのホテル内でやることになり、二次会に出席するために叶和は来ていた。


“ 機会があればね ”


その言葉がこんなに早くも訪れるとは。

そう、木内の披露宴の二次会だ。

披露宴同様、出席はしないつもりでいたが、本人と中の良かった数名の誘い、二次会と言う事で両人の友人主体だったこと、出席するメンバーに誘われたとあって出席することに決めた。

叶和は場所を確認して会場に向かおうとして掲示板から向きを変えたそのとき、後ろに人がいることに気づかずぶつかってしまった。

キャッ、小さい悲鳴が聞こえ、振り向いたところに後ろにバランスを崩しかけている女性。



「あ、すみません」



咄嗟に誤り、バランスを崩した彼女に無意識に手を伸ばしていた。

が、彼女の隣にいた人が彼女を支えていた。



「あ、大丈夫です

ありがとう、アナタ」



叶和に答え、その後隣で支えている男性に顔の向きを変えそう答えた。

その彼女の視線に叶和もつられ、男性を見る。

アナタと呼ばれている男性は、叶和のよく知っている、カレだった。



その後のことは、よく覚えていない。

二次会には出席したが、明日も仕事があると理由に早目に退出させてもらった。

今は、数日前に家にいた圭吾に話したら、その日はバイトがないから、迎えに来てくれると言う、圭吾の運転する車の助手席に座っている。





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