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第3章 さざ波




「あれ、なんでいるの
この頃よく見るんだけど家で」

「ココに住んでるからいるんだけど」

「そうだけど、バイトは」

「もうそろそろ就活始めようと思って減らし中」

「あっそ」

「聞いといて応えたのにどうでもいいような口ぶり」

「興味ないし、
あ、ただいま」

「。。。おかえり」



別に表面上変わることはなかった。

ただ、たまに肌を重ねる。

それも、圭吾からではなく、叶和から。

今だに無言電話は続いている。

しかも叶和がカレと逢っていた日に限って電話が来るようになった。

見知らぬ相手。

だが、カレと叶和のことを知っているみたいに。

そのことに関して叶和はカレにはなにも言っていない。

言ってしまってカレの反応が怖いから。

だから、圭吾に縋ってしまう。

あの時に受け入れてくれたから。

その怖さから一時、叶和を救ってくれたから。



「で、就職できんの」

「。。。話し聞いてました」

「なに、口調変わってんの」

「気にするとこ、そこじゃないから」

「頑張って」

「。。。ありがと、
あ、メシは」

「さっきまで奈美ちゃんと会ってたから済ませたよ

明日も仕事だから、おやすみ」

「おやすみ」



普段は、素っ気ない二人。

でも、お互いの肌の熱さはしっている。

そんな、関係。



利用出来るのだったら、利用すればいい、俺も利用するから。



なん回目かのセックスで、圭吾は叶和にそう告げた。

聞き質すこともせず、叶和は受理した。





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