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コーストライン
第1章 ベルが鳴る

彼女の躰に纏わりつく汚れを拭き取り、上掛けをかけサイドボードの上に置いてある彼女の煙草を一本手に取り、火をつける。
吸い込むと、ミントの爽やかな刺激が喉に感じられた。
ゆっくりと紫煙を吐き出す。
ゆっくりと天井に向かって揺らぐ紫煙を眺める。
傍には身じろぐ素振りがなく、規則正しい呼吸を繰り返している彼女。
一服目の爽やかな刺激は回数を増すごとに薄れていく。
吸い終わり、彼女の乱れていた黒髪を手櫛で梳く。
ストレートの髪質は指の間をすり抜けていく。
程なくして、上掛けをかけ直し彼は部屋のドアを静かに閉めて出ていった。
彼女は彼が出ていったことはいつも知らない。
目が覚めるといつもの日常がはじまっているから。
昼前に目が覚めて、いつもの休日がはじまる。
平日休みなのでこれといって友人と約束しているわけでもなく、普段はのんびりと過ごす。
昨晩は彼と過ごしたため、その後圭吾との時間を過ごしたため目覚めは普段より良い。
少し軋む躰をお越し何も羽織らずにバスルームに向かった。
「なにやってんですか」
バスルームに向かう間にキッチンを通り抜けようとしたら圭吾が呆けた顔をしている。
「なんでいるの」
「今日、講義午後から」
「あっそ」
休日の寝起きに圭吾に今まで会わなかったな、と思いつつ普段は、パジャマを着ているが圭吾とセックスした日は起きた時なにも身につけていないのでそのままバスルームに行くことは叶和にとっては当たり前のこと。
気にも止めずバスルームに向かった。

