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第2章 裸体を絵描く不純なゲイ
夜風が段々と涼しくなってゆくのを感じる。
夏ももう終わる、芸術の秋がやってきたのだ。
ーー教室に着くと、また今日のレッスンが始まった。
「今日はわたしのデッサンを見てもらいましょう!」
生徒がまんまるとした目で、Aの描いたヌードモデルのデッサンに見入る。
「おぉ~なるほどな」
「やっぱり先生は違うわね」
生徒が思い思いに何かを掴んでゆく。
そして、俺もやっぱりAは上手だなと感心してしまった。
その後もレッスンは続いてゆく。
しばらくすると、いつものようにAが生徒の周りを巡回してコメントしてゆくのだが、今日だけは俺の前にはやって来なかった。
何かやはり気に障っているのだろうか?いや、それは俺のことか。
レッスン終了後、俺が帰ろうとするとAが何か言いたげな顔で俺を見ながら、部屋の真ん中に立っている。
他の生徒はその多くが帰ったが、一部の生徒は共に情報交換や談話に興じていた。
Bが初老の男性生徒と珍しく親しげに話している。
その光景はとても温かく、そして友情の洗練された関係のように思えた。
俺はそれをただ見た後、教室を出て自転車に跨がって、自宅アパートへ帰っていた。
◆ある日の夜
Aから珍しく電話が掛かってきた。
もしもし、聞こえる? / おぉこんばんは。亮ですけども。
あんた、今度の展示会に作品は出品しないの? / あぁ、出品規定ありましたっけ?
ないない。自由だから。 / なるほど・・・・・・。
練習用のデッサン出したら? / んー、この前、自宅で抽象画描いたから、それで。
いいんじゃないの?明日、昼間空いてるから持ってきたら? / あぁ分かりました。
というわけで、その後も何かの会話を続けたが覚えていない。
翌日、たまたまガソリンスタンドのバイトが代休扱いだったので、自分の作品を持ってA絵画教室を訪れることにした。
◆カーテンの閉まった教室で
麻縄で背中にキャンバスを括り付けて、A絵画教室に自転車で向かう。
楓がいつの間にか紅葉し、銀杏の葉っぱの木枯らしが時々吹いて、肌寒さを感じさせる。
いつものように駐車場の隅に自転車を止めて、教室のドアを開けようとした。
しかし、鍵が閉まっていたのでチャイムを鳴らしてみたが、一向に反応はない。
夏ももう終わる、芸術の秋がやってきたのだ。
ーー教室に着くと、また今日のレッスンが始まった。
「今日はわたしのデッサンを見てもらいましょう!」
生徒がまんまるとした目で、Aの描いたヌードモデルのデッサンに見入る。
「おぉ~なるほどな」
「やっぱり先生は違うわね」
生徒が思い思いに何かを掴んでゆく。
そして、俺もやっぱりAは上手だなと感心してしまった。
その後もレッスンは続いてゆく。
しばらくすると、いつものようにAが生徒の周りを巡回してコメントしてゆくのだが、今日だけは俺の前にはやって来なかった。
何かやはり気に障っているのだろうか?いや、それは俺のことか。
レッスン終了後、俺が帰ろうとするとAが何か言いたげな顔で俺を見ながら、部屋の真ん中に立っている。
他の生徒はその多くが帰ったが、一部の生徒は共に情報交換や談話に興じていた。
Bが初老の男性生徒と珍しく親しげに話している。
その光景はとても温かく、そして友情の洗練された関係のように思えた。
俺はそれをただ見た後、教室を出て自転車に跨がって、自宅アパートへ帰っていた。
◆ある日の夜
Aから珍しく電話が掛かってきた。
もしもし、聞こえる? / おぉこんばんは。亮ですけども。
あんた、今度の展示会に作品は出品しないの? / あぁ、出品規定ありましたっけ?
ないない。自由だから。 / なるほど・・・・・・。
練習用のデッサン出したら? / んー、この前、自宅で抽象画描いたから、それで。
いいんじゃないの?明日、昼間空いてるから持ってきたら? / あぁ分かりました。
というわけで、その後も何かの会話を続けたが覚えていない。
翌日、たまたまガソリンスタンドのバイトが代休扱いだったので、自分の作品を持ってA絵画教室を訪れることにした。
◆カーテンの閉まった教室で
麻縄で背中にキャンバスを括り付けて、A絵画教室に自転車で向かう。
楓がいつの間にか紅葉し、銀杏の葉っぱの木枯らしが時々吹いて、肌寒さを感じさせる。
いつものように駐車場の隅に自転車を止めて、教室のドアを開けようとした。
しかし、鍵が閉まっていたのでチャイムを鳴らしてみたが、一向に反応はない。