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第4章 万年ジャージ姿の金髪女

「うーん、これは難しかっただろう」
「そうですね。単振動の合成も出ましたし、指数・対数関数の応用とかわけわかんないんですけど!」
その問題をじっくりと眺めてみたが、さすがに進学校だけあって、問題の作り方も厭らしさを感じさせられる趣旨であった。
「塾長、わたし、もう数学やりたくないんですけどぉ~。理系行かないから、数Bとか捨ててもいいですよね?」
生徒がまんまるとした目をして、俺の顔を見ている。こんなに可愛い目をしていたかなと、ふと思う。
「……。あぁ、数Bはいいだろう。文系目指すんだったら、ここら辺はこんなに詳しくやらなくていいよ。ただ、数学は理系にまつわる内容をするんだったら、必須だからな。文系でも社会学系や心理学系行くんだったら、統計・確率あたりは押さえておいた方がいいぞ」
拗ねたような表情をして、目の前のCが手持ちの解答用紙に目を移す。別に故意に責めたつもりじゃないんだが……。
しばらくして、終業時刻が迫ってきた頃だった。アルバイトのBが何やら、せかせかと忙しい様子で授業帳(※授業内容を報告するためのノートのようなもの)を書き込んでいる。どうしたのだろうか?まだ授業終わりまで5分はあるのにも関わらず。俺はCではない、別の担当生徒の問題を一緒に解きながら、ちらちらとBの方を見ていた。
終業時刻になって、生徒が帰ろうと支度を整えている頃、Bが何やら嬉しそうな顔をして俺の所にやって来た。
「塾長、すみません。うちの親の用事で今日は早く帰ります!」
「何かあったのか?」
「えぇ、ちょっと……」
何やらモジモジとしながら、ニヤけている。多分、親の用事ではないだろう。
「そうですね。単振動の合成も出ましたし、指数・対数関数の応用とかわけわかんないんですけど!」
その問題をじっくりと眺めてみたが、さすがに進学校だけあって、問題の作り方も厭らしさを感じさせられる趣旨であった。
「塾長、わたし、もう数学やりたくないんですけどぉ~。理系行かないから、数Bとか捨ててもいいですよね?」
生徒がまんまるとした目をして、俺の顔を見ている。こんなに可愛い目をしていたかなと、ふと思う。
「……。あぁ、数Bはいいだろう。文系目指すんだったら、ここら辺はこんなに詳しくやらなくていいよ。ただ、数学は理系にまつわる内容をするんだったら、必須だからな。文系でも社会学系や心理学系行くんだったら、統計・確率あたりは押さえておいた方がいいぞ」
拗ねたような表情をして、目の前のCが手持ちの解答用紙に目を移す。別に故意に責めたつもりじゃないんだが……。
しばらくして、終業時刻が迫ってきた頃だった。アルバイトのBが何やら、せかせかと忙しい様子で授業帳(※授業内容を報告するためのノートのようなもの)を書き込んでいる。どうしたのだろうか?まだ授業終わりまで5分はあるのにも関わらず。俺はCではない、別の担当生徒の問題を一緒に解きながら、ちらちらとBの方を見ていた。
終業時刻になって、生徒が帰ろうと支度を整えている頃、Bが何やら嬉しそうな顔をして俺の所にやって来た。
「塾長、すみません。うちの親の用事で今日は早く帰ります!」
「何かあったのか?」
「えぇ、ちょっと……」
何やらモジモジとしながら、ニヤけている。多分、親の用事ではないだろう。

