この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Short ★ Short
第4章 万年ジャージ姿の金髪女

◆翁の冬期講習
ついに今年も冬期講習が始まった。午前中から就業時刻ギリギリまで、冬休みの間は寿司詰め状態になって過去問を解いたり、応用・実践問題に取り組んだりと、忙しい地獄の毎日が続くのだ!
「塾長ぉ~、本当に数Bわかんないんですけど~!」
Cが学校で渡された冬休みの宿題を俺に持ってくる。
「ちょっと見せてみ。うーん……。……これは難しいな。でもな、定理がちゃんと分かっていればそんなに難しくないと思うよ」
「{a_n}が無限に続くってどういうことですか?」
「あぁこれ問題文の書き方悪いな。これね、『無限級数』のことだよ。第n項をnの関数f(n)として捉えればいいんだ。それを『一般項』と呼ぶ。一般項は習ったろう?」
「つまり、この問題ではa_nを2n-1として考えればいいんですかね?」
「そうそう。で、次の小問でその解を利用するわけだ」
ノートの上に青鉛筆を軽く走らせながら、俺は一生懸命、生徒のCにそのように伝える。
「あぁ、なるほど!2n-1だから、奇数ですよね?一般項が奇数だから、この図形内部の座標としては『不適』になるんですね」
随分、飲み込みが早いなというか、頭の回転も速いなと、そのときCに思った。
ついに今年も冬期講習が始まった。午前中から就業時刻ギリギリまで、冬休みの間は寿司詰め状態になって過去問を解いたり、応用・実践問題に取り組んだりと、忙しい地獄の毎日が続くのだ!
「塾長ぉ~、本当に数Bわかんないんですけど~!」
Cが学校で渡された冬休みの宿題を俺に持ってくる。
「ちょっと見せてみ。うーん……。……これは難しいな。でもな、定理がちゃんと分かっていればそんなに難しくないと思うよ」
「{a_n}が無限に続くってどういうことですか?」
「あぁこれ問題文の書き方悪いな。これね、『無限級数』のことだよ。第n項をnの関数f(n)として捉えればいいんだ。それを『一般項』と呼ぶ。一般項は習ったろう?」
「つまり、この問題ではa_nを2n-1として考えればいいんですかね?」
「そうそう。で、次の小問でその解を利用するわけだ」
ノートの上に青鉛筆を軽く走らせながら、俺は一生懸命、生徒のCにそのように伝える。
「あぁ、なるほど!2n-1だから、奇数ですよね?一般項が奇数だから、この図形内部の座標としては『不適』になるんですね」
随分、飲み込みが早いなというか、頭の回転も速いなと、そのときCに思った。

