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第6章 窓口に現れない寮母さん
 こんな感じで、Aと1時間くらい話してから、別れて店を出た。
 帰りの道中に、センター街のシャッターの前にこんなおっさんが居た。

 「えぇ~、生きるということは!ハッ!素晴らしい!!」

 偉い顔の艶のいいおっさんだった。
 私は彼の前に立って、その話を聴く。
 どうもDさんという50代くらいの男性であった。

 「兄ちゃん、何か不幸そうな顔してまんがな?」
 「そうですかね?そう見えますかね?」
 「ワシにはそう見える」  

 その後、彼の話をとりあえず聴くことにした。
 すると、こんなことを言い出した。

 「生きる喜びについて、お教え致しましょう!」

 何か私はムッとした。
 その台詞にただただムッとした。
 しかし、そういう嫌いなことほど滋養になるものだ。

 話が終わってから、Dさんはバッジ購入を勧めてきた。
 それで私がバッジ代の500円支払うと、ニッコリと嬉しそうな顔をして握手をしてきた。
 凄く厭らしい印象を私は抱いてしまう。

 生きるってことはそういうことなのかな?
 私は自分自身のこれまでに対して、反省しながら帰路へついた。


◆プレイ・デッドはやめて

 あの日の後しばらくして、3日間くらい私とCはそれぞれの“勤め”をサボった。
 そして、Cのマンション一室に篭って退廃的な時と場に粗末な品々を添えて過ごす。
 ケオで借りてきたドラマもののDVD、買い込んで来たお酒や煙草、そして調理済み食材を含めた肉・野菜など。
 DVDを二人で見終えては、いちゃつきながら酒や煙草、そして私のポエムと時に弾き語り。
 お腹が空いてくれば、台所で二人で料理する。
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