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第11章 新田 誠治
玄関は大通りに面しているが、ここは裏庭に当たるから丁度反対側で。生垣の向こうは住宅街の小道だから、車通りも少ないし、生垣の目隠し効果で、ウッドデッキでダラけてても道ゆく人の目に晒されることもない。
ま、両隣の住人が二階のベランダから覗いたら見えるだろうが…

俺の夕涼み用に、桜子が枝豆を湯がいてくれてて。
冷蔵庫から缶ビールを出すときにそれを見つけて、やった!と密かにガッツポーズ。

旬にはまだ早いけど、黒豆が出回ってるようで。さやからは黒っぽい豆が出てくる。
俺はこれが好きだ。
豆を口に放り込みつつ、缶ビールのプルタブを開ける。
カシッ!という小気味のいい音に思わず笑みが零れた。

飲み口から溢れる泡を吸い、豆を食う。
あー、合うわぁ。
いい気分でビールを呑んで居たら、桜子が隣に来た。

「トウモロコシ、食べる?」

「晩飯は?」

「今日はカレー。食べないならほぐしてサラダに混ぜちゃうけど?」
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