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第1章 井上 未玖

「怒られるかと思った…」

「お父さんだって、色々思うトコロはあるんだろうけどね？迎えに行くって言い出した時はドキッとしたけど。」

お母さんは悪戯っぽい目で肩を竦めた。

「うん、私もどうしようかと思った…」

「それより彼氏、カッコいいの？」

お母さんはこっそり聞いてきた。私はコクっと頷いて。

「主任だし…社内の人気はハンパない。何言われるか分かんないから怖くて公表できない…」

「ホント？ ちょっと母さんも会ってみたい〜！早く連れてきなさいよ⁉︎」

「うん、お父さんの許可も出たし…多分紹介を拒否られることは、ないと思う…」

「別に結婚云々じゃなくても、真面目なお付き合いなら紹介してくれてもいいんじゃないの？っていうのは、親としての本音だと思うわよ？ ま、彼女の両親に会う時って、スッゴイ緊張するって言うからねぇ〜。」