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続・飼っていたペットに飼われています。
第54章 あげない(スイ目線)
「……やだ、お父さん。何か怖い話? サキちゃん私達向こうの部屋に行ってましょう? 壮一郎さんとスイくんったら何処かでお酒でも飲んできたのかしら?」
「凛子、君もここにいなさい。頼人の話もするよ。後で全部忘れさせてあげるし、怖いところは耳を塞いであげるからな。スイ、話を続けなさい。」
 エプロンを外そうとする凛子の手をギュッと掴み、腰に手を回して頭を自分の胸に預けさせると高木は続きを促した。
「さっきのトオルの記憶見て段々思い出してきたんだ…。トワはお前が帰ったあと『なんでトオルはここから逃げようって言ってくれないのかな?』っていつも泣いてた。とっくに何回も転生してるし、お前の側にもいる。だけどお前が色んな女にちょっかい出してるから気づかないんだよ。俺は宙そらからいつもそれを見てて転生すんのなんか面倒くさくて、毎回無駄な一生を過ごして帰ってきたトワの愚痴を聞くことの繰り返しだった。『トオルは今回も私に気付かなかった。悔しい。』ってそう言いながら何度も生まれ変わるトワも馬鹿だなっていつも適当に返してたけど。転生したトワはお前が気づいてやるまで過去の記憶が戻んないからしょうがないんだ。」
「……トワはとっくに転生してる? 嘘だろ? サキちゃん以前に?」
「本当に色々馬鹿だな。まあ詳しくは俺が言ったって仕方ないからこの話はいいや。でもわざと気づかないようにしてるとこあるよな、トオルは。トワの記憶を忘れたくないから。でもそれって残酷なんだよな。可愛そうだな、トワは。」
「じゃあ、今世こそ…!」
「あげない。」
 呆然とするサキの顔を隠し、互いの目も合わせられないように自分の胸の前に抱き直すとトオルに背中を向けて自分の顔だけをトオルに見せながら口角を上げて話を続ける。
「あげない。俺のだから、絶対に。」
「なんで…!」
「トオルとトワが可哀想になって助けてやるつもりで来たけど、もうどうでもいい。俺はもうサキのことしか考えられないんだ。サキを奪う気なら兄のお前だって潰す。でもどうせ出来ないだろ?」
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