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キスをして
第2章 間宮と小塚
私はアパートの階段を登り始めると手首を掴まれた。

「どうかしました?小塚さん?」

「あの、間宮さん」

小塚さんが私と同じ高さに立つと熱を持ったような眼で私を見つめてくる。

「あの~?」

「間宮さんっ」

「はいっ」

つい語尾を強められると釣られてシャキッとなってしまう。
それよりもこんなにはっきり言わない小塚さんは初めてだ。

「何ですか?」

「キスしても良いですか?」

「は…えっ?良い訳ないじゃないですか!?」

「どうしてもですか?」

「だってする理由もないし、大体どうして小塚さんとそういう事になっ……」

気付けば小塚さんの顔が眼前にあった。
キス‥されてる?

「すみません。間宮さんいつも言い訳多いから」

「言ってません」

「言ってます。今日だって言い訳しようとしたでしょ」

何も言えなかった。確かに今日私は言い訳しようとしたからだ。

「もう一度して良いですか?」

「聞かないじゃないですか?」

「じゃあします」

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