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あんなこんなエロ短編集
第21章 裏のかお
「うっ………………」



高く大きな塀が、



瀟洒な家を囲っていた。



威圧感にたじろぐ。




何とか一日の仕事をこなし、



伊東雪途の自宅まで来た。



罪悪感もあり、インターホンを押す指が震えた。



ピンポーン




「…………はい。



伊東でございます」




嗄れた女性の声。




(あ、お手伝いさん?)




「あの、突然参りましてすみません。




雪途くんの担任の吉木と申します」




おそるおそる告げると、



「少々お待ち下さいませ」




嗄れた声は丁寧にそう言った。




肩から少しだけ力が抜ける。



カシャン




ギイ~~~







「えっ」




(こんな所に扉があったの)



塀に紛れ込み、分かりづらいが茶色い扉が開いた。




古いらしく軋んだような音がする。




「お待たせいたしました」



白いエプロン姿の老婆が恭しく頭を下げる。




白髪がほとんど。




頭のてっぺんで団子にしている。





落ち窪んだ眼窩に、浅黒い肌。





「こちらこそ急に来てしまって申し訳ありません。



雪途くん、何日も休んでますからどんな状態かと




思って」




雪文と対面しないか?不安だったが、



彼は学会続きで多忙なのだ。




ーーーーー付き合っていた時の甘い気持ちを思い出す。




でも、もう違う……………



「ああ!それはありがとうございます。




どうぞお入り下さい」



老婆は昔から仕えているのか?



雪途の名前を出すと、




頬を紅潮させた。

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