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あんなこんなエロ短編集
第12章 カノジョのカレ
ーーーーーまだ唇が熱を持っていた。


まりえは自宅に帰り、


勉強机に課題のノートを広げてぼんやりしていた。



キスが初めてなわけじゃない。


どんなものかな?と興味があったから、


中学の頃告白してきた男子とした。


それ以上のこともした。


痛かった記憶しかない。


「あんなに……ストレートな人、初めてだ」


指で唇をなぞった。


柔らかく、良い匂いがした。



「佐倉葉………」



不思議な人だ。



敵意を持っていたのかと思ったら『興味がある』と



言うし。



「同じ目かぁ」


わたしもあんなに美しくて、


あんなに冷ややかなのだろうか。



分からない………けど………



「また会いたいな」


そう思った。















********************

「あれぇ?


あそこに居るのって…………」


沙梨が廊下の窓から校門を指差した。


「え?」



「あーやっぱり!!高橋おとうとじゃん!


行こうよ、まりえ」


ぐいっと腕を引っ張り、


沙梨が駆け出す。



本当だ…………



佐倉葉がいる。






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