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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第43章 裏社会の弁護士
「で、お前さん金はあるのか?」

「あ、はい。とりあえずいくら渡せばいいのか解りませんが、1000万用意してあります。この金で店側とすんなり和解して女性を救って欲しいのです」

「ほう、随分金持ちじゃねぇか、そんなに金があるならオレんとこに来ないでその金ポンと渡しゃ済む話だろ」

「そうしたいのはヤマヤマですが、何せ相手はヤミ金とも繋がってる関係で、オレなんかじゃ上手く丸め込まれて救える自信がないんです。ですからお力を貸してもらえないでしょうか?」

達也は全身で訴えるように弁護士に頼んだ。

「で、向こうに1000万、オレにはいくら出してくれんだ?」

「…500万あります。これでも足りないでしょうか?」

弁護士は机の引き出しから葉巻を取り出し、火を点け煙を燻らせた。

「気に入らねえな」

「えっ、足りませんか?ではいくらだったら…」

「逆だ、逆!オレが1000万で向こうには500万だ。どうせ借りた額なんて大したもんじゃないだろ。むしろ500万でも多い程だ」

弁護士は成功報酬として、店側に用意した1000万を要求し、500万で店の人間と話をしてやるという事らしい。

「わ、解りました。では金は用意します」

「おい、お前いくつだ?」

「え、はい、つい最近19になったばかりです」

「随分若いのに金あるな。で、その女自由にして何がしてぇんだ?」

達也は何の事だか理解できなかった。

「何と言いますと?」

「おめぇ、その女にゃ惚れてねえだろ。なのにそんな金まで出して抜け出そうとしてるってのは何か企んでんだろ?その目は野心に満ちた目だ」

達也は弁護士に全て見透かされていた。

やっぱりこの人物の前ではウソはつけない、そう思い、達也の野望を弁護士に話した。
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