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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第53章 罠

「いや、お気になさらずに。私も酔った女性をそのまま一人にさせるワケにはいきませんからね。大丈夫、私は何もしてませんから。それに私には妻も子供もいる。そんな軽はずみは行動は出来ませんよ、ましてやこんな大変に時に」

顔をひきつらせながらも笑顔で沢渡は身の潔白を主張した。

(覚えてないのか…しかしまぁ、随分と酒の弱い女だ。しかもあんなに淫乱だったとは…これならまた誘って少し飲ませればまた…クックックック、しかしいい身体してたな)

「じゃあ、何もなかったんですね?良かった、私、沢渡さんを疑っちゃって…ホントに申し訳ありません」

鴨志田は沢渡の言葉を信じて、ホッとしたような安堵の表情を浮かべた。

「では私はこのまま会社に出勤します。鴨志田さん、会社の件ですが、私は鴨志田さんがウチの会社に来てくれるなら一緒に頑張っていつ社長が戻ってきてもいいように会社を大きくしていきましょう」

「はい、こちらこそよろしくお願いします。で、その間の社長の件なのですが…達也さんを社長にするというのはやっぱり反対ですか?」

何としてでも達也を社長に就任させないと、今までの計画がパーだ。
訴えかけるような眼差しで鴨志田は沢渡に申し出た。

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