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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第54章 ついに社長就任
「それまで何とか頑張ってくれ。お前なら大丈夫だとオレは信じてるから」

優しい兄の気遣いに亮輔は黙って頷いた。

「じゃあ、そろそろ行くよ。このテレビやテーブルはどうするの?」

「勿論処分する。それはオレがやるから心配するな。とにかく身体には気を付けろよ」

「アニキも元気で」

「うん、解った。じゃあまたな」

「住むとこが決まったら連絡するよ」

「おう、必ず連絡しろよ」

亮輔は荷物をまとめて部屋を出た。

このマンションに住んで数年の間に色んな事があった。
それらを思いだしながら、亮輔は出ていった。

達也は窓から亮輔がキャリーバックをゴロゴロと引きながら淋しげな後ろ姿でトボトボと歩いていったのを見て、タバコに火を点け、フゥーと煙を吐き出した。

「やっと出ていったか…これはもう用無しだな」

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