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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第55章 マンションを売り飛ばす

(あの女、まさかこの前の夜の出来事を覚えてるんじゃないのか…)

ふとあの晩の出来事が脳裏をよぎった。

達也も鴨志田も、社員を前に堂々と立ち、挨拶をして、滞りなくお披露目は終了した。

社員達がいなくなった会議室で、達也と鴨志田、沢渡の3人が残り、今後の展開の事について話をしていた。

「沢渡さん、沢渡さんは今まで通り、業務を進めて下さい。
僕は鴨志田さんと共にあのワンルームマンションの売却の為に各不動産を回っていく予定です。
元々あのマンションは母が家賃収入の為に建てたいわば道楽みたいなものです。
この会社はナイトレジャーをメインにした会社なのに、あのマンションは必要ないでしょう。
それよりも店舗拡大の為に、3人で力を合わせていきましょう!
沢渡さん、鴨志田さん、よろしくお願いします」

達也は二人に深々と頭を下げ、ガッチリと握手をかわした。

「では沢渡さん、これから不動産に回っていきます。会社の事はお任せしますので…」

達也は沢渡の顔を見てニヤっと笑みを浮かべた。
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