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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第59章 底知れぬ不気味さ
「まず1つは店を閉店すること。テナント料やキャストに払う人件費だってバカにならない。
これだけやって利益が上がらないのなら、いっそ閉店という手もあります」

「それが1つ目の結論ですか?でも、あの場所は捨てがたいですね。必ず人気が出てくるから様子を見ようなんて、前社長はそう仰ってました」

「だから能無しなんですよ、母は。キャバクラに対抗してキャバクラじゃ客はどこの店に行っても同じだろうと思ってリピーターなんて増えやしませんよ」

「そう言われてみればそうでしょうね」

確かに達也の言うとおりだった。
1人でも多くの客を捕まえる為にありとあらゆるイベントを開催したが、成功には至らなかった。

「で、もう1つの案ですが、キャバクラを止めて風俗の店にするんですよ」

何て事はない、とばかりの顔で言い切った。

「しかし、風俗と言われましても…」

「ソープでもヘルスでもピンサロでも何でもいい。あの辺りはキャバクラだらけでそういった店は一軒もない」

「それが2つ目の理由ですか?うーん、今からキャストを変えて店舗を改装するんですか?」

そこまでは気づかなかった、沢渡は達也のアイデアに前社長とは違う攻めの姿勢に、少し戸惑いながも、一理あるな、と感じた。
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