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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第63章 母性愛

「オフクロの下で仕事を学んで、急にいなくなって社長かよ!そんなに上手い話があるか?全て用意周到じゃねーか、なぁ先生、ホントはもっと別な事があるんだろ?」

亮輔は激しく鴨志田を問い詰めた。
それでもこれだけは言えない。
鴨志田自身も儲け話に目が眩み、犯罪の片棒を担いでいるからだ。

「私は外部の人間で、あの会社に来てまだ日が浅いのよ。だから真相はよく知らないの。これだけは信じて!」

鴨志田は訴えるように亮輔に語った。

亮輔は起き上がり、玄関に向かった。

「古賀くん、どこに行くの?」

「あのくそヤローをぶっ殺す!間違いなくオフクロを消したのはアイツだ!テメーの欲の為に実の親まで消すなんて、あり得ねえ!あんなクズは生かしておくワケにはいかないんだよ」

「待ちなさい、今会ってもお兄さんはあなたを相手にしないわ!それに周りに何人もの人に囲まれた状態でどうやって殺すのよ!」

鴨志田は亮輔の腕を取り、引き留めた。

「先生が知らないんじゃアイツに直接聞くしかないだろ?とにかくあんなクズはオレが殺る!」

「いい加減にしなさい!今は待つしかないの!ホントの事が解るまで迂闊な事は出来ないの。
下手すると古賀くんが警察に捕まるかもしれないのよ!」

「アイツ殺して警察に捕まるなら上等だ!どうせ生きててもロクな事がない。マンション追い出されてあちこちのホテルやネカフェを転々としてんだ。
この先良いことなんてありゃしない。だからアイツを殺してオレが少年院に入りゃいいだけの事だろ!」

「まだ解らないの!」

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