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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第63章 母性愛
パシーンと鴨志田は亮輔の頬を叩いた。

「あなた、ホントは私の子なのよ!それは知ってるでしょ?」

「そういやアイツ、オレの事、全く血の繋がってない兄弟だと。なぁ先生、先生は義理の父親の子供を妊娠したんだろ?で、生まれたのはこのオレだと見下すように言われたんだよ、これはホントなのか?」

亮輔は鴨志田の肩に手をかけ、壁に押し込むように詰め寄った。

「それは、ホントの事よ。あなたのお父さんと私の間に出来た子供という事になってるけど、実際は義理の父親との間に生まれたの、あなたは。
でも、生まれても認知はしないと言われて、当時お父さんが勤めていた会社の社長と常務がお父さんに役職に就かせる条件として、私とお父さんの間に生まれたって事にしてくれって…」

亮輔は一気に身体の力が抜ける思いだった。

自分の出生が二転三転している。どっちがホントなんだ?

オレは一体誰の子なんだ?
ヘナヘナとその場に座り込んだ。

鴨志田は亮輔を優しく抱きしめ、諭すように言った。

「古賀くん、そんなバカな事するより、これから先はどうするの?住む所は?仕事は?今のあなたにはそっちの方が重要なの、解る?」

「住む所なんてねえよ。どこを回っても、保証人が必要だと言われて断られてばっかだ。
だから毎日住む所を転々としてんだよ」

「保証人なら私がなるわ。そして少ないけど、毎月私があなたの生活費を渡すから。
そしてまた学校に通って。
定時制でも通信制でも何でもいいから、高校だけは卒業して?
これは先生としてじゃなく、母親としての願いなの、ね?あなたはあなたの道を進めばいいだけの事だから…」

亮輔は鴨志田の腕に抱かれ号泣した。
鴨志田が初めて亮輔に母親らしい面影を見せた。

「大丈夫、私はあなたの本当のお母さんだから。ごめんね、今まで辛い思いさせて…」

鴨志田も涙を流しながら亮輔に謝った。

15才の少年にしては、あまりにも過酷な生活を強いられた。

鴨志田は初めて亮輔に対し、母性が芽生え、何が何でも亮輔を守ろうと心に決めた。

例え、達也の言いなりになっても、必ず亮輔だけは守ると
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