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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第67章 遺言
すると一件のメールがあるので、何だろうとメールの内容を見た。

亮輔はメールの差出人を見て驚いた。
鴨志田からのメールだった。

久しくパソコンを開いてなかったせいか、日付がかなり前に送られてきたものだった。

その内容は、亮輔が衝撃を受ける程、達也に関する事だった。

【古賀くんへ

多分このメールを読んでいる時、私はもうこの世にはいないでしょう。
だからこれは私の遺言書として読んでください。

貴方の母親、つまり育ての親である千尋さんが失踪した件は、貴方のお兄さんが、人気の無い暗い夜道で待ち伏せ、気をとられている瞬間、外国人らしき人物に拐われて、車ごと千尋さんを外国船に乗せてしまったのです。

今何処で何をしているのか解りません。
異国の地で生存の確認すら解らない状態です。

それもこれも、私がソープ嬢をしている頃、貴方のお兄さんが客として現れ、私の借金を肩代わりする代わりに、千尋さんの事を消し去り、代わりに会社を乗っ取り、資産を分配しようという誘惑にかられ、お兄さんの手伝いをしてしまいました。

その時、私は別の車の中で一部始終を目撃したのです。
それからというもの、私はお兄さんの手足のように、色々と汚い手を使い、お兄さんを社長にするべく、何人もの人達を罠にはめ、お兄さんは社長になったのです。

お兄さんが社長として就任して私はお兄さんの秘書という形で会社に入り、千尋さんが所有していたマンションと、お兄さんが住んでいたワンルームマンションの建物と土地を売却したのです。

そして貴方には、会社が赤字で倒産寸前まで追い込まれたとウソをつき、貴方をマンションから追い出したのです。今思えば、私がお兄さんの思い付いた作戦に断固反対すべきだと後悔しています。

その後もお兄さんは社長として会社に君臨し、会社を思うがままに操り、私には赤字のキャバクラ店をソープランドに変えて、そこの店を任せると言われました。
最初は断りましたが、私をソープ嬢から救ってくれた恩と後ろめたさから、その話を引き受けました。

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