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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第71章 精算
「ところで亮輔くん」

沢渡が話を変えようとばかりに、亮輔に質問した。

「君は今、生活がかなり苦しいのでないかな?」

沢渡は亮輔が仕事でどのくらい給料を貰って、ここの家賃はどのくらいなのか解らない。
だが、生活は楽ではないはず。
その辺りを聞いてみたかった。

「生活はギリギリです。給料貰っても、家賃や光熱費、定時制の月謝や飯代でほとんど消えていきます」

「それなら貯金など出来ないだろう?」

「はい、実は先生が毎月生活費を渡してくれる代わりに学校だけはキチンと卒業してくれ、と言われました。それで、少しは楽になりましが、これからは1人で生活費を稼ぐしかないので、以前兄や先生に貰っていた金があるので、それを貯金してますが、いざとなったら、貯金を切り崩してでも生活するしかありません」

気の毒に…沢渡は亮輔と話しているうちに、我が子のように思え、不憫に感じた。

「そうか、その年で色々と苦労してるんだな。だが、この経験が今後の君の人生に大きく影響する。
大人になった時、君はこの時の事を糧に立派に生きていくんだ、わかったな?」

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