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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第115章 ヤル気の起きない日々
もう、あの頃の母親には戻らないのだろうと思い、何とも言えない空しさがオレの身体を包んだ。

そして引き取ってから1年が経過した頃、目を離した隙に、母親が外に出てしまい、夢遊病者の様にフラフラと徘徊した際、トラックに跳ねられ、母親の壮絶な人生は終焉した。

そしてオレは本当の独りぼっちになった。

母親が亡くなった時、悲しさとか淋しさとかいう感情は湧かなかった。

ああ、とうとうオフクロも逝ってしまったか…

一言で表すなら、こんな心境だった。

母親が日本に帰って来た時にある程度の覚悟はしていた。
ただ、微かな期待を望んでいたが、奇跡は起こらなかった。

むしろ、記憶を無くし、後遺症が残ったまま人の介護無しでは生きていけない余生を送るより、美しく、妖艶だったままの状態でいて欲しかったのだが。

それを考えると、天に召されたのは、母親が望んだ事なのじゃないかと。

表現は良くないが、こんな衰えたままで1日を過ごすなら、早くあの世に行きたかったのだろうと。

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