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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第118章 楽じゃないし合コンなんて余裕も無い
ヤンキーは今時キャバクラにも行ったこと無いなんて珍しい、とでも言いたげな顔していた。

「要はボーイだよ。キャストを客に応じて振り分けて店内を見て回るんだよ」

「…で、その元黒服が何でこの仕事してんだよ?」

こっちこそ、お前何してんの?って感じの顔して言い返した。
夜の商売から昼間の自販機の補充する仕事に移るなんて、普通じゃないだろ。

「だからちょっと一時間だけでいいから付き合ってくれよ」

「だから何するんだよ?」

「…合コンだよ」

「パス。オレ無理」

やっぱ話を聞いて損した。

「ちょっと待った!」

ヤンキーはオレの腕を掴み帰そうとしない。

「悪いけどオレ、コミュ障ってやつだから。それに酒飲めないし」

「いや、喋んなくても、飲まなくてもいいから人数合わせの為に一時間だけ来てくれ、なっ?」

「オレ働き始めたばかりだから金ねぇぞ」

ただでさえ、家賃の支払いすら遅れがちなのに、余計な金なんて無い。

「二千円でいいから!」

「…オレはその二千円でさえもキツいんだよ!」

「…じゃあ、給料入った時でいいから!ここはオレが持つから。な?いいだろ?」

何だって会社の玄関口で合コンの話に付き合わされなきゃならないんだか。

しかし、コイツも食い下がってくるし…

「じゃ一時間だけだぞ」

「そうか、じゃ今から行こう」

「何処へ行くんだよ?」

オレはヤンキーに引っ張られるような形で合コンをする居酒屋に入っていった。
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