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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第129章 ナツの忌まわしき過去

「実は私、人を信用する事が出来ないの」

…オレと一緒だ。て、事は以前騙されたとか、そういう過去があるのだろうか。

「人を信用しないって言いながら、オレを部屋に入れてるってのは矛盾してない?」

「うん、まぁ、そう言われればそうなんだけとね…」

何せオレとコイツは会ってこれと言った会話すら交わしていない。
なのに、部屋に入れるってのは何かあるんだろう。

「あ、言っとくけど、宗教とかマルチ商法の話だったら帰るから」

するとナツはゲラゲラと笑った。

「そんな事しないよ~っははは!もしかして古賀くん、私の事、勧誘する為に家に入れたと思ってたの?」

…怪しいだろ、普通。会ったと言っても、オレはコイツにウーロン茶ぶっかけたし、外で会っても挨拶ぐらいしかしてない。

あ、まさかウーロン茶の件で仕返しするつもりなのか?

「何だ、この前の仕返ししようってのか?いいよ、ほらここに水があるからオレに掛ければいいじゃん」

マグカップに入った水をナツに渡した。

「えぇ、そんなんじゃないんだってば」

「悪ぃな、オレも実は人を信用してないんだ」

ナツは少し驚いたような表情を見せた。

「やっぱりそうなんだ…私と一緒だね。初めて居酒屋で会った時から、何か普通の人と違うような気がしたから」

「だから、時折オレのとこを見ていたのか?」

「知ってたの?」

「オレを観察するかのような目で見ていただろ?そんなもんすぐに解る」

ナツは、うーんと背伸びをして、過去を話始めた。

「実はね、私父親に犯されてたの」

…!近親相姦…オレと一緒だ。

「だから初めての相手が実の父親…おかしいよね、こんなのって」

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