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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第136章 やっぱり話せない…
ナツの部屋に移る前、ある程度の荷物はまとめ、いらなくなった家具や家電品は粗大ゴミとして処分した。

が、しかし、ナツに何て言おうか。
とてもじゃないが、真相を言えるような事が出来ない。
オレが殺したワケじゃないが、その相手がオレの兄だと知った時、そして鴨志田の実の子供がオレだと知った時…
ナツはどうなるのだろうか?

幸い沢渡さんから渡された300万がある。
これは貰ったのでなく、借りた金だ。
ナツの部屋に行くのを止めて、このままアパートに残ってもいいんじゃないか?

全て処分したガラーンとした部屋でオレは決断を迫られている。

どうしたものか…

そんな事を考えてる時、スマホに着信音が鳴った。
ナツからだ。

少しためらったが、オレは電話に出た。

「もしもし」

【あ、もしもし?今ね、古賀くんのアパートの前まで来てるの。車借りたから荷物積んで来て】

家の前に来ているのか。

「あぁ、解った」

よし、ナツの部屋に行って全部話そう!

オレは必要な荷物だけを持ってアパートを出た。

ナツは黒のワンボックスタイプの車の運転席で待っていた。

「えっ、荷物これだけ?」

オレに必要なのは、衣類とパソコンぐらいだ。
ナツの部屋はテレビが無いが、別にテレビが無くても、特に観る番組も無いので、処分した。

頭にサングラスを乗せるようにかけ、茶色く毛先がカールしたセミロングのヘア、レザージャケットにホットパンツに黒のストッキング、そしてニーハイブーツ。

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