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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第138章 真実を語る時がきた
オレはナツの手を振り払い、更に話を続けた。
ここまできたら、最後まで話すつりだ。

「社長はある社員に目をつけた。かつて社長の秘書兼愛人だった女と社内結婚した社員に話を持ち掛け、昇進する代わりに生まれてくる子供の親になって欲しいと」

「…」

「その男も秘書だった女と結婚し、男の子が生まれたが、女は育児の合間に社長とまだ関係を続けていた。そして旦那の方も皮肉な事に、姉ちゃんと深い仲になっていった。当初はその社員との間に生まれた子供だと思っていたが、血液型でその男の子供ではなく、常務の子供だと判明した」

「…何よ、それ?お姉ちゃん利用されたの、その常務って人に?」

構わずオレは続けた。

「でも結局はその男の子供という事で認知する代わりに、何人もの社員をごぼう抜きして役職の肩書きが付き、あっという間に出世した。だが、家庭は最悪で、それが原因で離婚した。
なのに何故か旦那の方が実の子供を引き取り、妻には姉ちゃんが生んだ子供は社長に頼まれ、という感じで、シングルマザーとして、その子を育てた」

「…何なの?何でそんな汚い事してまで…」

「いいから最後まで聞け、それまで黙って聞いてろ」

「冗談も程々にしてよね!それ以上言うとここから出てってもらうからね!」

「そのつもりで話してんだ、こっちは!」

「…ウソ?」

「ホントだ」

「…何で?何で亮ちゃんがお姉ちゃんの事知ってるの?何がなんだか全っ然解んないだけど!」

少しずつ鼓動が速まってきた。
言わなきゃ…
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