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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第138章 真実を語る時がきた
ナツは語気を強めて、ふざけるな!とばかりに言ったが、オレは話を続けた。

「だけど、その養子縁組で父親になった男はやっぱり女に飢えてたんだろな…養子とはいえ、娘に手を出して、妊娠した」

「もう、いい加減にして!冗談でも言って良いことと、悪いことがあるでしょ!」

ナツは今にも泣きそうな顔をしている。だが、オレは話を止めなかった。

「で、妊娠したはいいが、その常務は堕ろせと言った。でも姉ちゃんは生みたいと言って中絶をしなかった。というより、もう中絶できるような状態じゃない程にお腹の中の子供は胎内で育っていった」

「…何でそんな事、亮ちゃんが知ってるの?」

「いいから黙って聞け!」

オレはナツに怒鳴り付けるようにして黙らせた。

「で、常務は生んでもいいが、絶対に認知はしないと言ったらしい。その常務は以前ヤクザをやっていて、その企業の社長から随分と裏の仕事をやってもらって、頭が上がらない人物らしい。で、その男がヤクザから足を洗った時、社長はその男を会社の常務として迎え入れたという事だ」

ナツの顔はみるみるうちにクシャクシャになり、涙を流していた。

「そこで常務は社長に養子縁組の娘ができちゃったからどうにかならないか?と相談を持ちかけた。社長も常務には色々と汚い仕事をしてもらったせいで、何も言えなかったらしいがな」

「…ちょっと。じゃお姉ちゃんには子供がいるの?今どうしてるの?」

ナツは激しく詰め寄った。

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