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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第148章 ナツの最期
韓国籍と知られるのがそんなに都合が悪い事なのか?
在日韓国人なんていっぱいいるじゃないか、なのに何故、知られただけで殺すんだ?

「ナツ、韓国籍だという事を知られるのがそんなに嫌なのか?」

ナツは表情が急変した。

「当たり前でしょ!アンタ達日本人には解らないのよ、在日の事を!私がどんな思いでこの日本を過ごしたのか…
迫害されて、差別されて…何で同じ日本に住んで、こんな仕打ちされなきゃなんないの?」

…オレは在日韓国人の苦労なんて知らない。だが、それでも日本で暮らしてる人々は大勢いる。

なのに、国籍を知られただけでユキを殺すのか…

「あの女、私が在日だと知ったら、整形だの、差別するような事を言ったのよ!
勝手に同級生だと勘違いして、間違いだって解った途端、手のひら返しで私を罵って…」

ナツとユキの間に何があったのかよく解らない。

だからといって殺す事はないだろ。
韓国籍だからってそんなに差別を受けたのか…

オレはナツに同情した。

「ナツ、オレは日本人だろうが、韓国人だろが、欧米人だろうが関係ない。
国じゃないだろ?もっと大事な事があるだろ?
日本人の中にだって、韓国籍のヤツラと仲良くしてる人もいるんだ!今まで付き合ってきた人が悪いだけなんだ!
ナツ!いい加減目を覚ませ!」

ナツはオレの言葉が効いたのか、少し目を潤ませた。

「亮ちゃん、今までゴメンねウソついて。
実はね、私、頼まれたの」

「…頼まれた?誰に?」

その時だった。ナツが何かを言おうとしたのを遮るかのように背後からナツの首が胴体から離れた…

ヤンキー山下の時と同じように…

「ナツ!」

その背後には、例の覆面男が立っていた…

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