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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第149章 怒り
「お前、人を何人も殺して何がしてぇんだ、おいっ!」

小島は時折、足を貧乏ゆすりしながら、右手で刃物を持ち、タバコをくわえた。

「…おい、言いてえのはそれだけか?」

オレに煙を吐きかけながら、不気味な笑みを浮かべている。

「オレがテメーを始末する予定だったのに、この女ときたら、本気でオメーの事好きになったらしく、外へ一歩も出さねえから、オレが頃合いを見てテメーを殺るつもりだったんだよ、解ったか、おいっ!」

…じゃあ、あのしつこいまでの連絡は?
あれはオレの身を案じて外に出るなって言ってくれたのか?

…ナツ。オレは単なる束縛だと思っていた。それは大きな間違いだった…

コイツに殺られないよう、一歩も外に出さないようにしてくれたのか…

知らず知らずに涙が溢れた。
もう泣くまいと誓ったのに…

「おいおい、今からテメーが死ぬってのに、何泣いてんだよ?」

「お前…小島じゃないだろ?」

確信した。どおりで恐怖より怒りの方が勝ったワケが!

オレは瞬時に近づき、胸ぐらを掴んだ。

「テメー、顔まで変えてまだ下らねえ事しでかそうとしてんのかよ、コラァ!!」

オレはヤツの顔面目掛けて渾身の力で左の拳を叩き込んだ。

「ぐへっ!」

倒れた隙にその長い刃物を奪い取った。

「下手な変装してんじゃねえよ、古賀達也!」

そう、コイツは顔を整形したあのクソアニキだ!

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