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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第160章 スパイはナツ
二人は段ボールの中に弁護士を折り畳むように詰めた。

「おい、この血を早く拭き取らないと、マズいぞ。モタモタしてると誰か来る」

ただでさえ、この付近にはヤクザが事務所を構えている。

バレたら二人はその場で殺されてしまう。

予め用意していたウエスで隅々と床を拭いて血痕を残さないようにして、書斎の机に置いてあったアタッシュケースを持ち、弁護士の遺体と共に段ボールに入れた。

「よし、底が抜けないようにしっかりと持てよ」

二人は段ボールの底をしっかり手で押さえるように運び、階段を下りた。

「何でエレベーターが無いんだよ、このオンボロビルは」

達也が文句を垂れながら、狭い階段を下り、ビルの入口に置いてあった台車に段ボールを乗せ、軽のワゴン車の後部ドアを開け、素早く段ボールと台車を乗せ、その場を走り去っていった。

「よし、これでこの車ごと跡形も無く消して終わりだ」

「…」

「何だよ、今更罪の意識を感じてるのかよ?」

達也は運転席から助手席に座っているスパイの作業着のジャンパーのチャックを下ろし、形の良さそうな胸を揉みしだいていた。

「…な、なにもこんなとこで…」

「いいだろ、少しぐらい触らせてくれよ」

「…誰かが見たら変に思われるから、止めて」

「こうしてると落ち着くんだ。もう少しだけ触らせてくれよ、ナツ」

スパイとはナツの事だった。

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