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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第160章 スパイはナツ
「いえ、それが送り先の住所がここになってるんですか」

ここに届け物がくるなんてあり得ない、弁護士は不審に思った。

何かの荷物が届く時はこの場所ではなく、近くのヤクザの事務所に届けられるはずだ。

弁護士は用心深い為、決してここの住所に届け物が来るはずがないのだ。

「おい、もしかしたらお前、宅配便に扮した殺し屋か何かか?」

(ヤバい、勘づかれたか?)

達也は焦った。ここまで用心深いとは思ってもいなかった。

「あ、いや、でもとりあえず中を確認してもらえませんか?僕らホントに宅配の者です」

「ほう…じゃあとりあえず中に入んな」

弁護士は例のしゃがれた声で奥の書斎に座り新聞を読んでいた。

「失礼します」

達也とスパイは大きな段ボールを重そうに抱えて中に入っていった。

「何だ、そのバカデカい箱は?」

弁護士は不思議そうに段ボールの中を開けようとした。

次の瞬間、もう一人のスパイが短刀を手にし、弁護士の首筋を切り裂くように真横に刃を振り抜いた。

「ガッ…」

弁護士は首から鮮血が吹き出し、止めを刺すかのように達也は心臓目掛けてナイフを突き刺した。

弁護士はそのまま倒れ、床には血が水溜まりのように溢れた。

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