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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第167章 ターゲット変更
しばらくの間、ナツは周囲をくまなくチェックしながら清掃をしていたが、これといった動きはなく、数日が過ぎた。

達也は沢渡をチェックしろと言ったが、いつも送迎車に乗り帰宅するので中々尻尾を出さずにいた。

(もしかしたらあの人の単なる思い込みでは?)

ナツに疑問が生じた。

達也は自分が消されると言った。
だが、社内では全くと言っていいほど動きはなく、沢渡も何事もなく業務をこなしていた。

「もしもし、全く動きが無いけど、ホントにあの人が要注意人物なの?」

【…全く動きは無しか。いや、そんな事はないはずだ。
ナツ、あの男の車の中に盗聴器を仕掛ける事は出来るか?】

「無理よ、どうやって車の中に入っていくのよ…」

【んー、そうか難しいよな。いや、待てよ。ナツ、沢渡はいつも何時頃に退社するんだ?】

「えーっと、確か五時半から六時頃には帰るみたいだけど…」

【そうか。何か他に方法はないかな…】

「ねぇ、もしかしたらあなたの思い込みなんじゃないの?とてもあなたを消すなんていう風には見えないんだけど」

【それは表向きの顔だ。裏ではヤクザと繋がってる。ヤクザ…?そうか、思い付いたぞ!】

「…何を?」

【ナツ、場所を教えるからそこにも盗聴器を仕掛けてもらえないだろうか?】

「まさかヤクザの事務所?そんな事したら私が殺されるわよ!」

【いや、ヤクザじゃない、弁護士の事務所だ…】

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