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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第28章 初仕事

翌朝ドンドンというドアを叩く音で目が覚めた。一体何だろうと思ってドアを開けると、頭にハチマキを巻いて髭をたくわえた体格の良い男が立っていた。

「おい、いつまで寝てんだ!はやく支度しろ!」

時計を見るとまだ6時前だった。

こんな早くから仕事すんのか?オレは半分眠い目をこすりながら、支給された作業着に着替えた。

アパートの目の前には白いワゴン車が停まっていた。

後部のスライドドアを開けると、むさ苦しい男たちが数人座っていた。

「あ、あの初めまして古賀です。よろしくお願いいたします」

オレは挨拶したが、皆オレの顔をジロッと見るだけで何も言わない。

しかも、タバコの煙が充満した車内はオレにとってはかなり辛かった。

現場は都内近郊の場所のビルを建てており、既に6階まで出来上がっている。

オレは職長と呼ばれたひげ面の中年のオヤジに「ここは大手のゼネコンだから入るときに安全教育といって、簡単な講習をしなきゃならない。しかもお前は15才だけど、この現場は18才以上じゃなきゃダメと言われている。だから記入欄に必ず18才と書いとけよ」

そう言われ、オレは他のメンバーとは別に詰所と言われている作業員の休憩所で、現場監督に書類を渡され、名前や住所、血液型等を記入した。年齢はもちろん18と書いた。
そして簡単な説明を受け、他のメンバーと一緒に仕事をした。
だが、右も左もわからないオレは何をすればいいのかわからず、職長のオヤジに
「まず何をすればいいのですか?」
と聞いた。

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