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第8章 悪魔降臨 ―それとも救世主？ ―

“父より”じゃねーー！！

なにが他意はないだ。大有りだろうが！もしかしたら、わざとやったんじゃねーのか？！

俺は書きかけのレポートをそのままにして、床の上に寝そべった。

　
グレてやる…


近所では、ずっと親孝行の良い子で通してきたけど、もう金輪際、親父のために働いてなんかやるモノか！なんで、こんな親父のために健気に手伝ってやらなきゃいけない！？

親父のせいで、親戚筋での俺の評判は今ではきっと地に落ちている。常識主義者で、理性的な俺は跡形もなく消え去って、エロ親父と同じ変態に成り下がっているに違いない。

”彼女がいないのはそのせいよ”って噂している口さがない伯母さんたちの声が聞こえてきそうだ。ゲイな上に近親相姦…

考えただけで吐き気がした。親父とキスしたなんて俺の生涯最大の汚点。まだ、耿輔とキスした方がずっとマシ…
　
…どうして、ここで耿輔なんだ…

一気に色々な思いが押し寄せてきて、頭の中がグルグルした。