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第8章 悪魔降臨 ―それとも救世主? ―

「…トモちゃ~ん、そういえばこの間の続きがまだだったよねぇ」

「な、なに…馬鹿…考えてんだ!それに、トモちゃんって呼ぶ…な……ぁ、や…、だ」

まだ話の途中なのに、耿輔の強引な唇が俺の口を塞ぐいつもこのパターン。

…もうヤダ。
 
でも、一番腹が立つのは学習しない俺自身。

こいつの顔を確認した時点で鍵を掛けて、居留守を使うべきだった。

珍しくキスひとつで耿輔の唇が離れると、その端正スケベな顔が俺の顔を覗き込む。

「馬鹿だって?ハぁ…、俺がなんでこんなとこまで馬鹿やりに来てると思う。も少し俺の気持ちがわかってるかと思ったのになぁ…。亨からも聞いてないわけ?」

いつもの不敵な嗤い。

俺を馬鹿にしてんのか!

なんでおまえの気持ちをわかんなきゃならないんだよ。亨が何と云おうとそんなこと関係ない。

あの日以来、何の連絡も寄越さないで、突然夜中にやって来る自分勝手なおまえの気持ちなんか、どうして俺が…
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