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第7章 男の娘(おとこのこ) ―倒錯、或いは迷走―
亨は、テーブルに置いたトレーを取ると、ベッドの上の俺の脇に載せる。先程はよく見なかったけれど、トレーの上には、香ばしい匂いをさせたエビピラフとポタージュスープ。エビが好きだって知ってたのかな?それとも偶然?
「ゴメンね。僕が馬鹿なこと話すから、冷めちゃったね。温め直そうか?」
「良いよ、このままで。冷めた方がスープ飲みやすいし…俺、案外猫舌なんだ」
「ホント?それじゃ僕と同じだ。なんか嬉しい…」
そんな些細な共通点に喜ぶ亨が本当に可愛く思える。
俺にもこんな妹が居たらな…
って、弟だって…
見た目の繊細さ同様、食事も味付け絶妙でとても美味しかった。
”トモちゃんのお腹が空いてるからだよ”
亨は照れくさそうにそう言ったけれど。
亨と居ると身体も心も自然体でいられるような気がした。凄くリラックスできる。耿輔と一緒の時もそんな感じを覚えたような気がするけど。