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ファニーキンキー
第9章 それは翔太郎



「しょうたろ…」


頬をピンクに染め、とろんとした目が、今にも泣くんじゃないかっていう位、うるうるしてる。
いつも強気な目つきで、自信ありげに俺を見つめてくる瞳がこんなにも女の子らしい一面を見せるなんて…すごい破壊力だ。
俺が触れることで感じてくれる。それがこんなにも嬉しいなんて、そんな感情、今まであったか?

俺の彼女は、普段は感じてくれない…


ある日突然、呼び止められた。確か同じクラスだったような…

少しクセのある髪をショートカットにした、中性的な顔をした色気のなさそうなヤツ。
男子の制服を着せたら、女の子のような可愛い顔をした男子中学生…そんな感じの女。

階段の途中で急に呼び止められて、文句でも言われるのかと思ったら、

「彼氏になって欲しいんだけど?」

って堂々とした態度で告られた。好みのポイントが1つもかすってないのに、勢いに押されてイエスって答えちまった…。

普通はもっと、恥じらったり照れたりすんじゃないのか?大抵そんな感じで告られて、好みの子であれば付き合いが始まる。
だけど“思ってたのと違う”って言われて、さよならする。

俺のどこが違うんだ?俺はいったい、どう見られてるんだ?


どうせ、こいつもすぐ、さよならだろ……

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