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ファニーキンキー
第10章 それは同日
胸がぎゅうっと締め付けられながらも、包み込んでくれる翔太郎の温もりに安心感を覚えた。
憧れていたその行為は思った以上の至福。
「ありがと」
「…?おめとうじゃなくて?」
コクンとうなずく。嬉しさのあまり、不思議そうにする翔太郎を苛めたくなる。
「もう、お祝いしたじゃん。クスっ」
「もっと祝ってくれてもいいのに…」
拗ねる言葉に応えるように、ぎゅうっと抱きしめる。
しばらく抱き合っていると髪に頬を寄せたまま、ささやかれた。
「寧奈の誕生日はいつ?俺、バイト休むから一緒にお祝いしよう」
「……今日」
「ん?今日?えっ?今日?!」
驚いた翔太郎が発するマヌケた声。
「クスっ、今日だよ。同じ日に生まれたんだね」
「マジかよ!早く言えよー。だったらプレゼント考えないとな!欲しい物あるか?」
「もう貰った。ずっと欲しかったもの。嬉しくて堪らない…ありがと」
翔太郎の胸におでこをグリグリとこすりつける。
「ええぇ?何あげた…?」
「クスっ…教えない」
「教えてよぉ」
「内緒」