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ファニーキンキー
第11章 それは解放


「翔太郎にお弁当持ってきたよ」

机の上にアルミホイルに包まれた物体を2つ置いた。

「ん?何?」

「今朝、作ってきたんだ。結構上手くできたよ、甘い品種だし、きっとおいしいよ」

翔太郎が物体に鼻を近づけ匂いを嗅ぐ。

「旨そうな匂い…」

「でしょ?」

「でも、これは学校で食べたら危険だろ?これは貰って帰る」

「危険な訳ないじゃん。今、食べないの?」

「なんか買ってくるから、待ってろ」

あたしの頭を無造作に撫で髪をボサボサにすると、購買へと足早に向かって行った。


人の好意を無駄にしやがって…もうあげません。2、3度髪を撫で付け整える。

イラっとしたあたしは、今日は翔太郎と一緒にお昼を食べるのは、やめることにした。

恵衣子と椎ちゃんがお昼を食べている席に混ざり、いそいそとアルミホイルを開ける。

「わぁ、焼き芋?おいしそう、うふふ」

「見て、見て、黄金色だよ。我ながら良く出来たっ」

焼き芋を割ると艶やかでしっとりとした山吹色の実からふわっと甘い香りが漂う。

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