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ファニーキンキー
第12章 それは野外


あたしはいつまでもニヤニヤと恵衣子たちを眺め、翔太郎の問いにぶっきらぼうに答えた。

「あー、いらない」

しまった…

自分でも今のは可愛くないってことは、わかった。でもぬいぐるみなんて要らないし…

「そ。じゃあ、俺がもーらお」

口先からしっぽまで1メートルくらいある長いワニのぬいぐるみを抱えてにこにこしている。

わっ、何そのぶっさいくなワニ…

緑色をしたカエルだか犬だかネッシーだかよくわからない顔をしたワニだった。

ワニを抱えて頬を擦り寄せてる翔太郎の方がよっぽど可愛かった。

「翔太郎…可愛い」

思わず口にしてしまう。

「だろ?ほら、寧奈に似てるよ?かわいー」

ワニの顔をあたしの顔と並べる。

可愛いって言ったのはワニのことじゃないっ!しかもそのぶっさいワニとあたしが似てるだと?

「こいつを寧奈だと思って一緒に寝るんだ」

ぎゅっと抱きしめ、しっぽをお股に挟んでいる。

「ハハハ……」

そんなぬいぐるみをあたしと一緒にしないで欲しい。やっぱり、今日は熱を出せばよかった……

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