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ファニーキンキー
第13章 それは結実
初めての人は、好きになった男だった。SとかMとか関係なく、一緒にいて気も合うし、男らしくて、あたしがちょっと意地悪な素振りをすると同じように意地悪で返してくる、そんな人だった。
好き同士なら、そうなることも自然で…
抱き合えたことは嬉しくて、幸せな気持ちに包まれた。でも、あたしの体は感じない。ただの不感症だろう…と初めての怖さと激痛を、多々の演技で乗り切った。
若気の至りということもあって、避妊具をつけていなかった彼は当然、外で射精。
自分でしごいて、体を震わせた。その姿がなんとも情けなく見えて…
これはあたしの思い込みでしかないんだけど、もっと雄っぽく「おらっ、おらっ」っと飛び散らすもんだと勘違いしていたあたしは、小動物みたいに震える彼の姿にやられて笑ってしまった。
こんな時に笑っちゃいけないと思えば思う程、笑いが込み上げてくる。
その滑稽な姿はあたしの脳髄を掻き回した。そしてこの時初めて、欲情を覚えた。
彼のプライドを相当傷つけたと思う…いや、思うじゃなくてショックを受けているのは表情を見てすぐに分かったこと。
欲情で火照った体を持て余したあたしなど、受け入れてもらえるはずもなく、その場でフラれた。
それ以降、男性を選ぶ基準はM気質。
これがあたしのヘンタイ道の始まりだった。