この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ファニーキンキー
第13章 それは結実
やっぱり、翔太郎モテるもん。そういう人がいてもおかしくない。
あたしは吐き気がする程の不安感に襲われた。そういう普通の女性と比べられて、欠陥品の烙印を押されて捨てられるのは……怖い。
「断ることないよ。うん、いいよ。全然いい。けど……あたしのところに帰ってきて欲しい」
みっともない言葉は吐きたくなかった。それでも口からこぼれちゃったのは、翔太郎を繋ぎとめておきたかったから。気丈に笑顔を作ったけど、目の前の景色は滲んでいた。
ぼやけて表情のよく見えない翔太郎が小さくため息をもらした。それは笑っているかのようにも聞こえる。
「分かった。寧奈は俺じゃないとダメだもんな?」
「あり、がとう…あたしこんな体だから…普通に感じる女の人の方がいいと思うけど…けどぉ……あだじのとこに帰っでぎでぇえぇ…ぇっぐっ」
止まらない涙でグズグズになったあたしを、ワンボックスカーの陰に隠れるように抱きしめてくれる。
「クスっ、最初っからそう言えよ」
「最初っから、言っでるぅ…ぅうぐっ、う」
「分かったから。浮気はしないよ。寧奈に可愛く束縛されたら、もうどうにもできないだろ」
「束縛なんか、じでないぃぃっ…」
「俺は、されたいよ」